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丸山林平「定本古事記」

- 上巻 -

【 神代の物語 】

原 文
於レ是、二柱突議云、今吾館レ生之子不レ良。憑宜レ白二天突之御館一來共參上、樽二天突之命。爾、天突之命以、布斗揺邇爾【上。此五字以音。】卜相而詔之、因二女先一レ言而不レ良。亦裝降改言。故爾、反降、更往二迴其天之御柱如一レ先。於レ是、伊邪那岐命、先言二阿那邇夜志愛袁登賣袁、後妹伊邪那美命、言二阿那邇夜志愛袁登古袁。
読み下し文
ここに、二柱の神議りて云ひたまひけらく、「今吾が生めりし子、良からず。なほ天つ神の御所に白すべし。」とのりたまひて、共に参上りて、天つ神に請ひたまひき。爾に天つ神の命もちて、布斗麻邇に【上。此の五字、音を以ふ。】卜相て詔りたまひけらく、「女を言先だちしに因りて良からず。また還り降りて改め言へ。」と言りたまひき。故爾、反り降りて、更めて其の天の御柱を先の如往き廻りたまひき。ここに、伊邪那岐命、先づ「阿那邇夜志愛袁登売袁。」と言りたまひ、後に妹伊邪那美命、「阿那邇夜志愛袁登古袁。」と言りたまひき。
丸山解説
〔布斗揺邇〕太占。「ふと」は美称。「まに」は「占」に同じ。上古の占ない。鹿の肩の骨を焼き、その裂けめの模様によって、吉凶を判断するもの。〔ト相〕うらへ。うらなえ。下二段の動詞の連用形。〔更〕あらためて。底本の訓「さらに」。意は同じ。
田中孝顕 注釈

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