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丸山林平「定本古事記」

- 上巻 -

【 神代の物語 】

原 文
於レ是、天照大御突、以二│爲怪、細開二天石屋竿一而、触告隅、因二吾隱坐一而、以下爲高天原自闇、亦二葦原中國一皆闇上矣、何由以天宇受賣隅爲レ樂、亦找百萬突跳恁。爾、天宇受賣、白下│言環二汝命一而貴突坐故、歡喜咲樂上。如レ此言之間、天兒屋命・布刀玉命、指二│出其鏡、示二│奉天照大御突一之時、天照大御突逾思レ怪而、稍自レ竿出而、臨坐之時、其館二隱立一之天手力男突、取二其御手一引出。來布刀玉命、以二尻久米【此二字以音】繩一澡二│度其御後方、白三│言從レ此以触不レ得二裝入。故、天照大御突出坐之時、高天原及葦原中國、自得二照明。
読み下し文
ここに、天照大御神、怪しと以為して、細に天の石屋戸を開きて、内より告りたまひしくは、「吾が隠り坐すに因りて、高天原自ら闇く、葦原の中つ国も皆闇けむと以為ふを、何由以天宇受売は楽びし、亦八百万神諸咲ふぞ。」とのりたまひき、爾、天宇受売、「汝が命にも益りて貴き神坐すが故に、歓喜び咲ひ楽ぶぞ。」と白言しき。かく言す間に、天児屋命・布刀玉命、其の鏡を指し出だして、天照大御神に示せ奉る時に、天照大御神、逾奇しと思ほして、稍戸より出でまして、臨み坐す時に、其の隠り立てる天手力男神、其の御手を取りて引き出だしまつりき。即ち布刀玉命、尻久米【この二字、音を以ふ。】縄を其の御後方に控き度して、「此より以内にな還りましそ。」と白言しき。故、天照大御神、出で坐せる時に、高天原も葦原の中つ国も、自ら照り明かりき。
丸山解説
〔樂〕あそび。舞楽。〔指出〕さしいだし。「指」は「差」に同じ。さし出す。「さしいでて」よりは「さしいだして」の方が可。〔尻久米繩〕しりくめなは。「くめ」は「こめ」に同じ。後方を限りこめる縄。しめなわ。〔澡度〕ひきわたし。引き渡し。
田中孝顕 注釈

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