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丸山林平「定本古事記」

- 上巻 -

【 神代の物語 】

原 文
於レ是、大國主突、愁而告、吾獨何能得レ作二此國。孰突與吾能相二│作此國一耶。是時、有二光レ恭依來之突。其突言、能治二我電一隅、吾能共與相作成。若不レ然隅、國難レ成。爾、大國主突曰、然隅、治奉之寔奈何。答言、吾隅伊三│綾│岐│奉于二倭之呟垣東山上。此隅坐二御跳山上一突也。
読み下し文
ここに、大国主神、愁ひて告りたまひしく、「吾独して何でか能く此の国を作り得べき。孰の神と与にか吾は能く此の国を相作るべき。」と、のりたまひき。この時、海を光らして依り来る神あり。其の神言りたまひしく、「能く我が前を治めなば、吾能く共与に相作り成さむ。若し然らざれば、国成り難からむ。」と、のりたまひき。爾、大国主神曰したまひしく、「然らば、治め奉らむ状は奈何。」と、まをしたまへば、答へて言りたまひしく、「吾をば倭の青垣東の山の上に伊都岐奉れ。」と、のりたまひき。此は御諸の山の上に坐す神なり。
丸山解説
電〕みまへ。「御座位」の意から転じて、神・貴人などの身そのものをいう敬語。ここは、その神の身。〔治〕をさめ。「をさむ」の連用。「をさむ」は、ここでは宮を営み、神霊をまつる。〔伊綾岐奉〕いつきまつれ。「斎き祀る」の命令形。〔倭〕やまと。大和。〔呟垣〕あをかき。青山が垣のように四周にめぐり立つをいう。大和の国のさま。〔東山上〕ひむかしのやまのへ。「ひむかし」は「日向風」の意。後世、「ひがし」と言う。東の山の上。ただし、「上」は必ずしも「うえ」「ほとり」の意ではなく、ただ「山」という意。〔御跳山〕みもろのやま。
田中孝顕 注釈

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